仮想通貨の動向
今日まで硬貨や紙幣などが主として利用されてきましたが、現在インターネット等の普及により電子マネーが広く使われるようになり、仮想通貨が社会に及ぼす影響が大きくなったことから、制度を設けて規制しなければならないと国が本腰を入れて動き出しています。
日本における仮想通貨の定義は、
「資金決済に関する法律(資金決済法)」第二条5 一.より
物品を購入し、若しくは借り受け、又は役務の提供を受ける場合に、これらの代価の弁済のために不特定の者に対して使用することができ、かつ、不特定の者を相手方として購入及び売却を行うことができる財産的価値(電子機器その他の物に電子的方法により記録されているものに限り、本邦通貨及び外国通貨並びに通貨建資産を除く。次号において同じ。)であって、電子情報処理組織を用いて移転することができるもの 二.不特定の者を相手方として前号に掲げるものと相互に交換を行うことができる財産的価値であって、電子情報処理組織を用いて移転することができるもの
とあり、不特定多数の者に対して使用ができ、購入、売却、交換等ができるものというのが重要な点です。
仮想通貨にはビットコインとそれ以外の仮想通貨をまとめた総称のアルトコインがあります。
仮想通貨の会計処理
仮想通貨の会計処理等に関する当面の取扱いは、活発な市場が存在する場合の仮想通貨は時価評価、活発な市場が存在しない場合の仮想通貨は取得原価で期末評価するとなっています。
また期末評価で使う時価は、通常使用する自己の取引実績の最も大きい仮想通貨取引所または仮想通貨販売所における取引価格を用いることとし、期末評価に用いる市場価格には取得または売却に要する付随費用は含めないものとするとなっています。
法人が仮想通貨の損益を把握するタイミングは、売却時と交換時になります。売却時の注意点としては、必ずしも円に変えてなくても売却とみられることです。
例えばビットコインでアルトコインを購入した場合などです。
仮想通貨の取得価格の算出方法は、現状では移動平均法と総平均法による取得価格の算出が一般的ですが、継続適用が要件となっていますので注意が必要となります。
また同一の仮想通貨は、仮想通貨取引所ごとに評価方法を選定し計算するのではなく、同一の評価方法で計算することになると思われます。期末に仮想通貨を保有している場合に会計処理上時価評価をしたときは、法人税法上は時価評価損益の計上が認められていないので、法人税の申告書で別表調整しなければなりません。
秋好